<特集 第1回>  三重県一志郡美杉村 美杉鉱山の鉱物
今回は私の地元、三重県一志郡にある美杉鉱山で産出した鉱物を掲載いたします。

お願い:産地への案内等はお断りいたします。
     すでにこの産地に訪れている方の参考になれば幸いです。



現在 採集できている鉱物
  フェルグソン石  ゼノタイム  モナズ石  ジルコン
  褐簾石  テンゲル石  柘榴石  輝水鉛鉱
  磁硫鉄鉱

<坑口の様子> <ズリの様子>
この鉱山は縦坑であり、坑内は水没している。
この水をくみ上げて近くの茶畑に使われている。
このズリの奥、約30m先に坑口がある。

2003年の台風でズリが押し流されてしまいました。(台風直後の写真です)
 

<< フェルグソン石の産状 >>

美杉鉱山におけるフェルグソン石は黒雲母または白雲母の界面に黒色、樹脂様光沢で
牙状に晶出している。あるいは長石中に球状になって埋没している。

前者よりあきらかに後者の場合がおおい。
長石中に埋没したものは風化が激しく、福島県水晶山産のトロゴム石のような土状に
変化している。ごく稀に樹脂様光沢をもつものもみられます。

■■ 雲母と長石の界面に晶出したフェルグソン石 ■■

幅21cmの母岩中に、牙状、椎の実状などさまざまなフェルグソン石の結晶が見られる。


牙状に林立するフェルグソン石 幅11cm 高さ5cm  (2005年7月9日追加) 

柱面、頭がほぼ完全な結晶。(下)
2005年4月30日追加

頭部のC面が異常に発達した結晶(下)
(2005年7月9日追加)

この分離結晶は両錐のフェルグソン石である。長さ約10mm (2005年8月25日追加)
4個のフェルグソン石が集合しており、s,g,c面が明瞭に観察できる。


 ■■ 長石中に埋没したフェルグソン石 ■■


※トロゴム石 フェルグソン石の風化したもので、
 「トロゴム石 第3の型」といわれる。(下)
(2005年7月9日追加)





<< モナズ石の産状 >>

美杉鉱山におけるモナズ石は長石中に灰黒色の結晶が埋没して晶出する。
この場合はフェルグソン石を近くに伴う場合が多い。
また、少ないが雲母or石英と長石の界面にも晶出することがある。
通常、モナズ石は黄褐色であり、不純物により黒っぽい色となっている。
その大きさは時には4cmに達する。

■■ 雲母との界面に晶出したモナズ石 ■■    

結晶面のほぼ完全な結晶。約3cm。(下) この結晶は黒味がかった茶褐色です。
 2003年4月30日追加

■■ 石英との界面に晶出したモナズ石 ■■
 

■■ 長石中に埋没して晶出したモナズ石 ■■
 


<< ゼノタイムの産状 >>

美杉鉱山におけるゼノタイムは雲母or石英と長石の界面に黒色の球状になって存在する。
石英との界面に存在するゼノタイムは軽い衝撃でポロッととれてしまいます。
これを観察すると、石英側にジルコンが放射状に伸びているのが観察できます。
また、長石に球状で埋没しているものもあるが、風化した球状フェルグソン石とは区別が難しい。

■■ 石英との界面に晶出したゼノタイム ■■
■■ 雲母との界面に晶出したゼノタイム ■■

ゼノタイム集合体の拡大

ほぼ純粋なゼノタイム集合体
(2005年7月9日追加)
結晶個体があまり区別できないような小隆起状
のものはほぼ純粋なゼノタイムからなるようである
帯青灰黒色のゼノタイム単結晶。
(2005年7月9日追加)

<< フェルグソン石・ゼノタイム・モナズ石が含まれている母岩 >>
下の標本は雲母にサンドイッチされた長石中にフェルグソン石・ゼノタイム・モナズ石が
含まれている標本である。
このような標本は美杉鉱山でも珍しく、今までに2点ほどしか採集できていない。(2007年1月29日追加)

<< ジルコンの産状 >>
(2005年7月10日追加)
ゼノタイムまたはフェルグソン石を核としてその周囲に結晶する。
下の写真は粒状のフェルグソン石を核としているものである。
ジルコン単体で結晶しているものは、いまだ確認できていない。


<< 褐簾石の産状 >>(2005年7月9日追加)
美杉鉱山における褐簾石 文献では褐簾石が産出することは知っていたが、実際にこれまで発見できず、
今回ようやく採集することができた。上の標本は黒雲母の貼り付いた斜長石中に存在し、近くには
帯青灰黒色のゼノタイムの小結晶が存在した(上記写真)。つやのある良い結晶である。
 

<< テンゲル石の産状 >>(2005年7月9日追加)
フェルグソン石、モナズ石等のついた斜長石の表面に微細な結晶集合体をなす。
集合体の大きさは0.1mm程度である。

【 重要情報 】
この鉱物はヨウロウ石との情報があります。詳しいことがわかりましたら、
また、ここで報告します。

 


<< 柘榴石の産状 >>

美杉鉱山の柘榴石はほとんどが無数にヒビが入り、ぼろぼろである。
最近、比較的よい結晶を採集することができたのでここに紹介する。
ただ悲しいことにこの標本も指ですこし揉めばぼろぼろの砂になってしまう。

 

ごく最近に下のしっかりとした石榴石を採集した。いまのところ、
この1点しか採集できていないが。
結晶サイズ3cm。(2007年1月29日追加)


<< その他の鉱物 >>

非常に稀であるが下記の鉱物も採集することができた。

■■ 輝水鉛鉱 ■■                    ■■ 磁硫鉄鉱 ■■
 

■■ 不明鉱物 ■■
  
顕微鏡で観察すると表面に条線が確認でき、透過光はあめ色。
鉱物の周りにハロのように赤くなっているので、放射線がでているかも。
端面は確認できず・・・・です。
おそらく褐簾石だとおもわれますが・・・。