希元素ってなに??

地球上には様々な元素を含む鉱物があります。
私はその中でも「希元素」を含む鉱物を収集しております。

ところで、その「希元素」ってなんでしょう。
「希元素」は地球上でも産出量が比較的少ない元素を指します。
鉱物の世界では「放射性鉱物」も「希元素」の一部として取り扱われているようです。


「希元素」は「稀」ではない。

希元素はこれらの化合物が比較的産出の稀な鉱物から得られた混合酸化物から
分離されたので、「希元素」と命名されたが、地殻全体中の存在量はそれほど
希少ではないことがしられています。

「希元素」??
鉱物の世界で言う「希元素」は下の元素を含むものを言っているようです。
下の元素周期表では赤の太文字にしてあります。
1A族 Cs
2A族 Be
3A族 Sc,Y,Ce,Th,U
4A族 Zr
5A族 Nb,Ta

「希土類元素」??
化学で使う元素周期表では性質の似た元素が縦に並べられており、
この表でいうと3A族に属するセリウム族とイットリウム族の総称となります。
下の元素周期表では黄色に塗りつぶしてあります。l

一般に希元素鉱物には性質のよく似た希土類元素が濃集し、
これらの鉱物を精製して希土類元素が生産されています。

  1
(1A)
2
(2A)
3
(3A)
4
(4A)
5
(5A)
6
(6A)
7
(7A)

8
(8)

9
(1B)
10
(2B)
11
(3B)
12
(4B)
13
(5B)
14
(6B)
15
(7B)
16
(0)
1 H
He
2 Li Be B C N O F Ne
3 Na Mg Al Si P S Cl Ar
4 K Ca Sc Ti V Cr Mn Fe Co Ni Cu Zn Ga Ge As Se Br Kr
5 Rb Sr Y Zr Nb Mo Tc Ru Rh Pd Ag Cd In Sn Sb Te I Xe
6 Cs Ba L* Hf Ta W Re Os Ir Pt Au Hg Tl Pb BI Po At Rn
7 Fr Ra A*

 

L*  ランタノイド La Ce Pr Nd Pm Sm Eu Gd Tb Dy Ho Er Tm Yb Lu
A* アクチノイド Ac Th Pa U Np Pu Am Cm Bk Cf Es Fm Md No Lr

「希土類元素」ってどんなもの??

希土類元素と一言で言われてもそれがいったいどんなものか
見たことのある人は少ないとおもいます。科学館などの展示ではでていると思いますけど。
そこで私が入手した、希土類金属及び酸化物の標本を公開します。

希土類元素 単体金属 希土類元素 酸化物
原子
番号
原子
記号
元素名 元素名の由来
21 Sc スカンジウム Scandium ラテン語の「南部スカンジナビア半島(Scandia)」
39 Y イットリウム Yttorium スウェーデンの地名「イッテルビー(Ytterby)」
57 La ランタン Lanthanum ギリシャ語の「隠れている」
58 Ce セリウム Cerium 小惑星「セレス」
59 Pr プラセオジム Praseodymium ギリシャ語の「青みがかった緑(prasaios)」
60 Nd ネオジム Neodymium 「新しいジジム」(ジジムはギリシャ語の「双子」から)
61 Pm プロメチウム Promethium ギリシャ神話の「プロメテウス」
62 Sm サマリウム Samarium サマルスキー石
63 Eu ユウロピウム Europium ヨーロッパ
64 Gd ガドリニウム Gadolinium ガドリン石
65 Tb テルビウム Terbium スウェーデンの地名「イッテルビー」
66 Dy ジスプロシウム Dysprosium ギリシャ語の「近寄りにくい(dysprositos)」
67 Ho ホルミウム Holmium ストックホルムの古名「ホルミア」
68 Er エルビウム Erbium スウェーデンの地名「イッテルビー」
69 Tm ツリウム Thulium スウェーデンの町「ツーレ」
70 Yb イッテルビウム Ytterbium スウェーデンの地名「イッテルビー」
71 Lu ルテチウム Lutetium パリの古名「ルテチア」

何に使われているの?

希土類元素は通常の元素に見られない特異な性質を表すものがあり、
その特性を生かした材料としてさまざまな新素材として利用されています。

原子
番号
原子
記号
元素名 利用用途
21 Sc スカンジウム ヨウ化スカンジウム(SCI3)には昼間の太陽光に似た光を発する性質があるので、メタルハライドランプに封入されています。メタルハライドランプは、明るく、長寿命のランプです。展示物の照明のほか、植物の栽培でも高い評価を得ています。
39 Y イットリウム イットリウムのオキシ硫化物(Y2O2S)は、ブラウン管で赤色を発している蛍光体の主成分です。アルミニウムとの酸化物(Y3Al5O12)は、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザーのロッドに使用されています。イットリウム・バリウム・銅酸化物セラミックスは、約-170℃で超伝導を起こすことが知られています。
57 La ランタン カメラのレンズなど光学ガラスの原料として、また陶磁器の着色剤として使用されています。鉄の混合物(発火石という)には衝撃で火花を生じる性質があり、使い捨てライターにも使用されています。ちなみに、発火石には30%ほどのランタンが含まれています。水素吸蔵合金の原料として、ニッケル水素電池での利用がもっとも大きな利用用途です
58 Ce セリウム 酸化セリウム(CeO2)はガラスの研磨剤として利用されています。また、紫外線を強力(酸化チタン以上)に吸収する性質があり、サングラスのレンズや自動車の窓に用いられているガラスには酸化セリウムが混ぜられています。これらのガラスが黄色みを帯びているのは、酸化セリウムの色が原因です。最近、色を消す技術が開発され、新しい日焼け防止用の化粧品の開発が進められています
59 Pr プラセオジム プラセオジムの酸化物は青い光を、ネオジムの酸化物は黄色い光を強力に吸収する性質があり、溶接作業時に使用するゴーグルのガラスに、プラセオジムとネオジムの酸化物が入っています。プラセオジムイエローは最初に実用化された希土類元素の顔料です。絵の具のように、別の顔料と混ぜて中間色を得ることができる優れた顔料です
60 Nd ネオジム ネオジム磁石とレーザー光線の発生源です。ネオジム磁石は通常の磁石(酸化鉄を利用したフェライト磁石)の10倍以上のパワーを持っており、ディスクドライブやビデオデッキなどで使用されている超小型のモーターの部品として、不可欠な強力な磁石です。ネオジムを用いたYAGレーザーは、長寿命で、高効率という優れた特性を持っており、半導体の製造や手術で使うメスなど、広い分野で利用されています。ネオジムを混ぜたガラスを使用するレーザーは大出力を得ることに適しており、レーザー核融合の実験装置に利用されています
61 Pm プロメチウム β線を発する放射性物質です。放射線を電気エネルギーに変換するアイソトープ電池は長時間使用できるため、宇宙船の電源に利用されている他、埋め込み型の心臓のペースペーターでの使用が研究されています。プロメチウムを使った夜光塗料が時計の針や文字盤などに1998年まで使用されていました。この夜光塗料はプロメチウムから放射されるβ線によって硫化亜鉛(銅)蛍光体が輝く反応を利用した塗料です。最近ではトリチウムのβ線を利用した夜光塗料が利用されています。
62 Sm サマリウム サマリウムは磁石の原料として使用されています。サマリウム系磁石はネオジム磁石が開発されるまでは最強の磁石でした。ネオジム磁石は鉄を含んでいるために錆びやすく、熱にも弱いことから、現在でも、サマリウム系磁石は高温で使用できる強力な磁石として、重宝されています
63 Eu ユウロピウム ユウロピウムの重要な応用は蛍光体としての利用です。ブラウン管タイプのカラーテレビでは、赤色を発生させるのにユウロピウムを使用しています(青色はセリウム(Ce)を、緑色はテルビウム(Tb)を利用)。太陽光に近い照明が得られる三波長型蛍光ランプでは、赤い光と青い光を発生させるためにユウロピウムが使われています(緑色の光はセリウムとテルビウムを使用)。ホタル蛍光灯(電源が切れても、暗闇で1時間ぐらい薄明かりを保つ)にも、ユウロピウムが活用されています
64 Gd ガドリニウム X線撮影で使用されるフィルムには、感度を上げるために(X線の照射量を減らして、人体への悪影響を押さえるために)、ガドリニウムが利用されています。MRIによって体内の断層写真を撮影する時には、ガドリニウムの化合物を体内に注入します。ガドリニウムの働きにより写真の濃淡が明確になり、正確な診断が可能になるからです。その他の重要な利用例として、磁気冷凍機が挙げられます。ガドリニウム-ガリウム-ガーネット(Gd3Ga5O12)に電磁石で磁力を働かせておいた後、電磁石の電源を切ります。すると、ガドリニウム-ガリウム-ガーネットは周りから熱を奪います(周りを冷やします)。
65 Tb テルビウム テルビウムを利用した2種類の合金が、パソコンの周辺機器で活躍しています。テルビウム-ジスプロシウム-鉄合金(Tb0.3Dy0.7Fe2)には、磁力で大きく伸び縮みする性質(磁歪:じわいと読みます)があり、プリンターのヘッドで使用されています。DVDがパソコンで利用され始める前、記録媒体の主役であった光磁気ディスク(MO)には、テルビウム-鉄-コバルト合金(TbFeCo)が磁性体として使用されています。磁性体は加熱すると磁性が失われる性質があり、磁性が失われる温度はキュリー温度と言います。テルビウム-鉄-コバルト合金のキュリー温度は約190℃です(参考までに一般的なフェライト磁石では470℃以上です)。そのため、レーザー光線による加熱で容易に磁性が失われ、記録を消去することが出来ます。
66 Dy ジスプロシウム ジスプロシウムの身近な使用例は夜光塗料のルミノーバです。日光を10分間当てておけば、10時間以上も光ります。ルミノーバには発光体としてユウロピウムが含まれており、ジスプロシウムは光エネルギーを蓄えて、ユウロピウムが発光することを助けています。また、テルビウム-ジスプロシウム-鉄合金には、磁力で大きく伸び縮みする性質(テルビウム参照)があり、プリンターのヘッドで活用されています。
67 Ho ホルミウム ガラスへ加えると、緑色の光が吸収されるようになり、ガラスの色は淡い黄色になります。ホルミウムを混ぜたガラスへ吸収される光の色彩(波長)は、非常に限られています。少しでも、色彩(波長)がずれると、吸収されなくなります。光の波長を分析する装置を調節する基準物質として、ホルミウム酸化物を混ぜた着色ガラスが利用されています。
また、YAGレーザーに用いられます。ネオジムの代わりにホルミウム、ツリウム、クロムを入れてCTH−YAGレーザと呼ばれています。
68 Er エルビウム 酸化エルビウムEr2O3 がガラスの着色剤に使われる。光ファイバーに添加(ドープ)されたり(←光信号増幅のため)、YAGレーザーにも添加して利用される(Er:YAGレーザー←医療分野で利用される)。
69 Tm ツリウム CTH−YAGレーザに使用される(ホルミウム参照)
70 Yb イッテルビウム 用途としてはガラスの着色剤、YAGレーザーロッドの添加物などに利用される
71 Lu ルテチウム ルテチウムは希少で非常に高価なため、ほとんど利用されていない